【仙台・宮城・東北の経営者へ】廃業しても個人破産は避けられる場合があります──「速やかな相談」がご家族の未来を守る
廃業しても個人破産を回避できるのか?
廃業を考えはじめたら、一日でも早く弁護士へご相談ください。判断を先延ばしにするほど手元に残せる資産は減り、選べる解決策も狭まっていきます。逆に、早く動けば動くほど、個人破産を避け、自宅や生活資金を守れる可能性が高まります。「速やかな相談」こそが、経営者ご自身とご家族の未来を守る最大の鍵です。
「会社をたたみたいが、個人保証が頭から離れない」「廃業すれば自宅も失い、家族に迷惑をかけることになるのではないか」──こうした不安から、本来であれば早期に決断すべき廃業に踏み切れず、赤字経営を続けてしまう中小企業経営者は、仙台・宮城県をはじめ福島県、青森県・岩手県・秋田県・山形県の東北六県でも少なくありません。
しかし、経営者保証に関するガイドラインを活用すれば、個人破産を回避し、自宅や生活資金といった一定の資産を手元に残しながら、保証債務を整理することが可能な場合があります。本コラムでは、債務整理を検討されている経営者の方に向けて、経営者保証ガイドラインの仕組みと、なぜ「速やかな相談」がそれほど重要なのかを解説します。
経営者保証ガイドラインとは──「廃業」局面でも使える強力な武器
経営者保証ガイドラインは、平成26年から運用が開始された準則です。法的拘束力はないものの、金融機関や政府系金融機関が広く尊重しており、保証債務整理の実務において重要な役割を果たしています。
令和3年の閣議決定「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」で、倒産時の個人破産回避策の明確化が政府方針として打ち出され、令和4年3月には廃業局面に特化した「基本的考え方」が策定されました。さらに令和5年11月の改定では、「早期相談」の重要性が一層強調されています。
つまり経営者保証ガイドラインは、事業を続けるための「再生」だけでなく、事業をたたむための「撤退」にも公式に活用できる、経営者にとって極めて強力な武器なのです。
※経営者保証ガイドラインの詳細は、中小企業庁「経営者保証」のページ(外部リンク)もご参照ください。
なぜ「早期相談」がカギなのか──インセンティブ資産のしくみ
ガイドラインの最大の特長は、早期に廃業を決断した経営者ほど、手元に残せる資産(インセンティブ資産)が増えるという算定ロジックにあります。
具体的には、以下の差額がインセンティブ資産の上限となります。
①現時点で廃業した場合の債権者の回収見込額
②清算が遅延した場合の将来時点の回収見込額
赤字営業を続けて資産を食いつぶせば、②は限りなくゼロに近づきます。一方、今すぐ決断すれば①の金額が確保できる。その差額分が「早期決断のメリット」として、破産法上の自由財産(99万円の現金等)に加え、一定期間の生計費や華美でない自宅の余剰価値を手元に残す根拠となるのです。
「もう少し頑張ってから……」という先延ばしは、債権者の回収率を下げるだけでなく、経営者自身の再出発の原資をも失わせる最も非経済的な選択肢です。早期に専門家へ相談することが、経営者と債権者の双方にとって最大の利益となります。
自宅は本当に残せるのか──3つの整理パターン
債務整理を検討する経営者が最も気にされるのが、「自宅を残せるかどうか」という問題です。状況に応じて、次の3パターンが考えられます。
① オーバーローン型
自宅の評価額が住宅ローン残債を下回るケースです。余剰価値がないため、ローン弁済を継続できれば自宅の保有は比較的容易です。
② 余剰あり型(インセンティブ活用)
評価額からローン残債を差し引いた余剰額が、前述のインセンティブ資産の範囲内に収まり、かつ「華美でない」と認められれば、その余剰分を手元に残すことが可能です。
③ 担保権設定型(公正価格弁済)
自宅に法人債務の担保(抵当権)が設定されている場合でも、公正な担保評価額を弁済することで抵当権を消滅させ、保有を継続できます。
「廃業すれば必ず家を失う」というのは正確ではありません。緻密な資産評価と債権者交渉により、家族の生活基盤を守る道は十分に存在するのです。
「ゼロ弁済」も理論的に成立する
特筆すべきは、保証人からの弁済額が0円であっても合意形成できるケースがある点です。
法人からの配当は確保されるものの、保証人個人には弁済原資がない──このような場合でも、「3年後にはどちらの財産も枯渇して0円になる」ことが合理的に予測できれば、債権者にとっては今すぐ手続を進める方が経済合理性が高いと判断されます。回収可能性のない債権を早期に切り離し、管理コストを低減できるメリットがあるからです。「今動くことが債権者にとっても最大利益である」ことを論理的に示せれば、ゼロ弁済による保証債務免除も不可能ではありません。
手続スキームの選び方
実際の保証債務整理手続には、主に「中小企業活性化協議会スキーム」と「特定調停スキーム」があります。債権者が複数にわたる一般的なケースでは、中小企業活性化協議会スキームが適していると考えられます。
行動の遅れが、最大のリスクになる
廃業を「すべてを失う終わり」とするのではなく、早期決断によって「再出発の原資を確保する戦略的撤退」へと意味づけを変えましょう。
経営の透明性を保ち、誠実に情報を開示し、適切な専門家とともに早期に動く──このプロセスを完遂できれば、経営者は個人破産という最悪のシナリオを回避し、ご家族とともに次のステージへ進むことができます。
廃業・保証債務・債務整理にお悩みの経営者の方は、まずは弁護士にご相談することからはじめてみてはいかがでしょうか。弁護士は、中小企業活性化協議会と「代理人限りでの事前相談」が可能です。繰り返しになりますが、解決の選択肢は時間とともに失われていきます。迷っている今この瞬間にも、残せたはずの資産が目減りしているかもしれません。一日でも早い相談が、あなたとご家族の未来を変える第一歩です。
当事務所は、仙台市を拠点に、宮城県および青森・岩手・秋田・山形・福島の東北六県の経営者の皆様からのご相談を承っております。「まだ相談する段階ではない」とためらわれる前に、どうかお気軽にお問い合わせください。早めのご相談が、最も多くの選択肢を残します。──法人破産にあたって経営者保証ガイドラインの適用を受けることができるか、担保を設定している自宅を残すことはできないか、免責不許可事由があるが経営者保証ガイドラインの利用はできないか──どのようなお悩みにも誠実に対応いたします。
この記事を執筆した法律事務所について
広瀬通あかつき法律事務所(仙台市)は、宮城県および青森・岩手・秋田・山形・福島の東北六県の中小企業経営者の皆様を対象に、法人破産・民事再生・特別清算・会社更生・廃業・債務整理および経営者保証ガイドラインの活用に関するご相談を承っております。事業の再生から戦略的撤退まで、経営者ご自身とご家族の生活再建を見据えた解決策をご提案します。
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